Cabin Management Solutions

CMSは会社設立からまだ日が浅いものの、共同創設者に名を連ねるJeff Pike氏とJeff McCormick氏はアビオニクス業界で35年以上の経験があります。同社は、市場投入までの期間の短さ、高品質な成果物、厳格なテストと認証プロセスによってすぐに評判を得ました。CMSのチームは、これまでの成功の多くは製品の設計、エンジニアリング、製造、認証のほとんどの業務をテキサス州東部の本社に集約したことによるところが大きいと考えています。

課題

CMSは、高級ジェット機の老朽化したキャビンシステムの交換や修理をよく依頼されます。多くのプロジェクトには、現在は廃業したメーカーによって元々製造されていて、もはや入手できないパーツやコンポーネントが含まれます。このようなプロジェクトの大部分において、CMSは高価値パーツを一から少量生産する必要があります。具体的な品目は、頭上の読書灯、サーモスタット、パネルスイッチ、USB充電器、カスタム取り付けブラケット、座席の娯楽スクリーンから、その中間にあるすべてのものにまで及びます。これらの完成パーツの多くは視界に入るため、高級感を維持することの重要性は、機能性を確保することにほぼ匹敵します。

単発のプロジェクトは、製造に多大な時間と労力を要する可能性があります。また、既存のレイアウトに新しいデザインを適合させなければならない場合が多く、かなり複雑でもあります。顧客の要求が生産の途中で変わるのも珍しいことではありません。そのため、CMSのチームは往々にして、土壇場でも臨機応変に修正を加えられるよう準備しておく必要があります。最も重要なのは、連邦航空局（FAA）の承認を得るには航空機のすべての材料とパーツを徹底的にテストし、追跡可能にしなければならないということです。

ソリューション

CMSは2019年に創業してまもなく、Markforged X7工業用3Dプリンターを2台購入しました。従来の製造や材料と比較した3Dプリントの価値は社内ですぐに認められました。従来の方法を使用した場合は生産をアウトソーシングするケースがよく見られますが、CMSはアディティブ製造を利用することで業務の大部分を内製化できました。これは、同社が引き受ける仕事の量とそれらをどれだけ短期間で完了できるかという点で、CMSにとって非常に有益でした。「他の3Dプリンターは仕上げの質が低く、追加の後処理が必要になりますが、X7はそのような心配はありません」とPike氏は語ります。

CMSは、2台のMarkforged X7プリンターでOnyx FR（短繊維の炭素繊維が充填された認定UL 94 V-0定格の難燃性ナイロン）を使用してすべてのパーツをプリントしています。機内エンターテインメントの改修などに使用する高強度、軽量、難燃性のカスタムパーツをOnyx FRで作成します。さらに、高級志向の顧客の特別な要求を満たすため、金の電気めっきやウッドパネルなどの高級な装飾によって、キャビン表面にハイレベルなカスタマイズを施しています。これにより、FAAに適合しながら、顧客の審美的要求や期待に応える最終製品を作ることができます。

具体的には、1機のジェット機において、CMSのチームはX7を使用して少なくとも100種類の異なるパーツをプリントしました。これには、約29のライトスイッチパネル、キャビン環境コントローラー、ラッチ、リリースボタン、USB-Cおよび差し込み式USB-A充電器、調整式タッチスクリーンブラケットなどが含まれていました。さらに、これらのプリントパーツの大半は、キャビンの既存のインテリアデザインと一致させるために、ベゼルに金の電気めっきが施されました。その結果、見た目はオリジナルと同じくらい高級感がありながら、耐久性はより高いパーツが生まれました。

未来

CMSは将来に向けて大きな計画を立てており、特にMarkforgedが最近リリースした2つの新材料、Onyx FR-AとCarbon Fiber FR-Aに注目しています。これらの材料はどちらも完全な材料トレーサビリティを備えており、National Center for Advanced Materials Performance（NCAMP、FAAに認可された飛行機用材料の適格性評価を行う2つの機関のうちの1つ）が実施するプログラムでMarkforged X7プリンターで認定取得の予定です。このプロセスが完了すると、CMSはプリントパーツをさらにクリティカルな用途に応用できるだろうと確信しています。